書道の美術館
第54回(2024年)
(敬称略)
気力充実し、字形筆線ともにスキがない 。最高賞にふさわしい。
「伊都内親王願文」の臨。闊達に筆が動き、格調の高さを感じる。
始筆終筆転折に「造像記」の野性味あふれる造形美と筆勢を見る。
筆が紙に強く食い込み、紙面いっぱいに 堂々とした挑戦。名前もよし。
「魏霊蔵造像」の臨。鉄を切ったような方形の筆勢に動きを加えている。
線のつながり、筆の穂先の動きがリズミカル。字句どおり豊満な作。
「十七帖逸民帖」の臨。柔和な筆線の中に強い骨格を有している。
字形配字ともによく、流れるような行書の運筆。名前も立派で模範的。
点画の細部に神経が行き届き、しっかりとした気持ちが伝わります。
公益財団法人 晴 嵐 館