一陽来復、おめでとうございます。 『中道』誌も、お蔭様で2年目を迎えました。
恩師豊道春海先生に創刊の時から総裁になっていただくことをお願いしてありましたが、雑誌が海のものとも山のものともわからず、途中廃刊にでもなったら洵(まこと)に申し訳ないと伏せてありました。同人、会員の熱意で堂々とやっていける確信ができましたので、ここに豊道先生を総裁に推戴(すいたい)いたします。
「陳(ふる)きこと去り、新しきこと来る」と書いてみました。徒(いたずら)に陳きものを棄(す)てるのとは意味が違います。老生の意は故(ふる)きを温(たず)ね新しきを知ることを申しているのであります。
一言述べて新年のごあいさつといたします。
(『中道』昭和41年1月号、『巻頭言集』P14) |