書道の美術館

至言忤耳

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至言忤耳

至言忤耳

至言とは、この上もない言葉、つまり金言と諫言とをミックスしたようなものである。だから耳に忤(さから)うのは当然と言えよう。

水戸黄門だとか、遠山の金さん、銭形平次といった面々が、次から次へとテレビ番組に登場する。たわいもないとけなす人もあるが、視聴率が高いことを見逃してはならぬ。

耳の痛いことは聴かぬがよし、悪の行為の暴露されるのを恐れる輩は見ぬがよし……否見ないであろう、聞かぬであろう!!

黄門さんも金さんも銭形の親分さんも、現代悪の風刺に一役買わされたものと、魯翁は思っている。

(『書芸中道』昭和52年10月号、『巻頭言集』P220)


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